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前回、マナ院長が亡くなり悲しみに暮れるシェイド孤児院。訃報を聞いて孤児院に戻ったミサキが2代目の院長になりました。新院長も孤児たちも、まだまだ戸惑いが隠せないのですが、それぞれがマナ院長を喪った悲しみから徐々に立ち直っていくと思います。
それでは、今回もお話を進めていきます♪
4年目春の月曜日
今日は新しい孤児のお迎え、カツキは高校生としては初登校になります。
朝からいつもと変わらないシェイド孤児院……のはずなのに。はずなのに?
実はシェイド孤児院、大改装をしました。
というのも、マナ院長のベッドにもぐりこんで泣いていた時、ミサキはマナ院長からの手紙を見つけていたのです。
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この手紙を読んでいるのは誰なのかわからないけど、一つだけ確かなことは、もう私はこの世を去っていることです。
シェイド孤児院を継承する人であることを願って、一つお願いがあります。
叶うならば、子供たちの部屋を住みやすい部屋に改装して、新しいシェイド孤児院を作り上げてほしいのです。必要以上に切り詰めたわけではありませんが、十分な資金は遺せたと思うのです。
悲しい思いを抱える子供たちを一人でも減らすために、どうかよろしくお願いします。
マナ・シェイド
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マナ院長のたっての希望とあらば、しないわけにはいきません。
というわけで、ミサキ院長の初仕事は、新たなシェイド孤児院を作り上げることでした。
あらゆるところに、自らの経験を生かした孤児院に生まれ変わったと思います。
子供たちのお部屋は各々テーマカラーで統一されていたり、新たに小さめなジムスペースやこれまた小さめな図書室なども設けました。
番外編として新・シェイド孤児院のルームツアーを記事にするかもしれません
できなかったらごめんなさいですが;;
カツキとカナが登校していったあと、少し緊張した面持ちで養子縁組のウェブサイトを閲覧するミサキ院長。子供の運命を握っているような、変な感覚がミサキ院長を襲います。
(かつての私も、こうして選ばれたのね……)
早く決めないと行政の受付時間も限られているので、ミサキ院長は焦り始めました。
(そうだ、そういえば……)
改装の前にマナ院長の机に入っていたサイコロを取り出しました。
それは生前マナ院長が愛用していた品。
(そっか、決められないから、サイコロだったんだ)
ミサキ院長、意を決してサイコロを振ります。
1なので、子供をお迎えします!
32人目の孤児
ケンゴ・シェイド
子供
特質:自信家
願望:天才芸術家
初めての孤児の受け入れが済んでほっとしたのもつかの間。
キヨミからお祝いの電話がありました。
キヨミ、そんなにミサキと仲良いわけでもないはずなのに、ミサキが院長になってからというもの、ここへよく来るようになりました。
そして学校組の二人も帰宅。
早速、二人とケンゴは宿題を始めました。
ケンゴはグリーンを基調にしたお部屋を選んでいました。
左下にちらっと見えているブルーのベッドは、カツキのベッドです。
カツキもカナも新しい孤児を受け入れる度に喜んだり悲しんだり(怒るときもある)するのに、ケンゴに対しては特に思うところはないようです。
不思議に思ったのですが、よくよく考えると、二人にとっては甥っ子になるのですね。
ミサキ院長はケンゴがリラックス出来たらという一心でジョークを飛ばしていたら、ケンゴにはまったようで、二人はジョークチームの間柄になりました。
その夜、カナがお年頃に突入しました。
やはりマナ院長が亡くなって寂しいのでしょうか。もちろん寂しくないわけはないのですが、気丈にふるまっていたのでしょう。ミサキが院長になって、少しほっとしたのかもしれません。
(ちょっと気を付けてみておかないとね……)
カナを心配するミサキは、もうすっかり院長の顔をしていたのでした。
4年目春の火曜日
今日は養子縁組の受付日、そしてケンゴの初登校日です。
ミサキ院長、ケンゴの初登校に自分の時よりも緊張しているのかもしれません。
「ケンゴ、ちゃんと先生の言うことをよく聞いて、困ったことがあったらカナ姉ちゃんに聴きなさい」
「うん、昨日から何回も聞いたからわかってるよ」
ケンゴは少し困惑しながらも、素直に言うことを聞いています。
そしてやっぱりカナはいつもより甘え気味なのか、ミサキ院長の隣に座って朝ごはんを食べだしました。
みんなの分の食器を洗い出すカナを、ミサキ院長は褒めちぎりました。
「カナ、ありがとう、すごく助かるわ♪」
「ううん、じゃ、学校に行ってくるね」
少しはにかんだ笑顔を浮かべ、カナは学校へと向かったのでした。
(ふう、ひと休み、っと♪)
すっかり工作が楽しくなったミサキ院長、今日も木工机で何かを作っています。
(そういえば、マナ院長もこうしてよく工作をしていたわね)
マナ院長のことを思い出すと、鼻の奥がツンとしました。
(いけない、やっぱり悲しくなっちゃう……)
急いで工作を仕上げてテレビの方へ向かうと、ノックの音が聞こえました。
「ヤッホー♪」
今日もキヨミが遊びに来ました。なぜかタツヤも一緒です。
(タツヤ、学校はどうしたのかしら、それはキヨミもだけど)
あなたたち、学校は? よほど聞きたかったけど、その時マナ院長のことばを思い出しました。
よそのお家のことには口を出さないようにしているの、って言ってたわよね。
ミサキ院長は、思い直して口をつぐみました。
穏やかな午後のひとときに、突如ファンファーレが響きます。
カツキ、早々とA評価の高校生です。
おめでとう、カツキ!!!
そして、ミサキ院長は、静かにカツキをハグします。
「カツキ、新しいお家で暮らすことになったの、おめでとう」
「ありがとう、ミサキ姉ちゃん。もういいよね、院長って呼ばなくても」
「うん。いつでも遊びに来てね、待ってるから」
そう、ようやくでたのです。
ティーンはカツキだけなので、カツキの養子縁組が成立しました。
カツキはビジャレアル家に引き取られていきました。
宿題を済ませて、おいしそうにティラピアのソテーを食べるケンゴに、ミサキ院長がそっとと声を掛けました。
「今日、学校はどうだった?」
「えっとね、楽しかったよ。お絵描きしたの」
そういって、初めて描いた絵を見せてくれました。
「あら、上手ね。ここにもお絵描き机があるから、また描くといいわ」
「うん! また明日描くね。今日は眠たいからもう寝ようかな」
「あ、もうこんな時間ね。じゃ、ケンゴ、おやすみなさい」
ミサキ院長がカナの部屋をのぞくと、もうカナは眠っていたようです。
「カナ、おやすみなさい」
小声でいって、そっと扉を閉めました。
(ふう、今日も一日が終わった……私、ちゃんとうまくやれてるかしら)
心細さと疲れで、つい悲しくなってしまったミサキ院長なのでした。
4年目春の水曜日
今日はカナとケンゴの学校の日というだけで、特に何も予定がありません。
「ねぇ、ミサキ院長、今日はね……」
甘えたいお年頃のカナがずっとそばについてきて甘えっぱなしです。
「お願い、学校のバスのところまで送ってほしいの」
小さい子がいないので、ミサキ院長、バス停までカナを見送りに行きました。
(マナ院長、こんなに大変だったんだ……)
ミサキ院長は一人になりたくて反抗したことを思い出していました。
(くよくよしたってしょうがないし、工作でもしようかしらね)
今日もミサキ院長は工作にいそしみます。
途中ココナのデートの相談を受けたりしながら、今日はあちらこちらを改修して回ります。
何もないところを改修!?w
そして今日もキヨミが……
ミサキ院長、思い当たる節が一つだけありました。
改装したときに、マナ院長の骨壺を自分の持ち物の中に入れたままだったのです。
(ごめんね、キヨミ……)
キヨミが帰宅した後、心の中で詫びるミサキ院長なのでした。
そして今日もファンファーレ。
今日はカナの成績が上がったようです。
おめでとう、カナ!!!
「さあ、わからないことがあったら聞いてね」
二人が宿題をするところをミサキ院長が見守ります。
のはずが、また楽しそうに笑い転げていましたら。
ミサキ院長、陰気から陽気に特質が変化しました。
(確かに以前に比べて落ち込まなくなった)
ミサキ院長、そんなところもマナ院長の影響を受けているのかもしれません。
その夜も、シェイド孤児院には楽し気な笑い声がこだましていたのでした。
4年目春の木曜日
今日はテレビドラマのシーズン初回放送と、養子縁組の受付日です。
昨日は早い目に眠ってしまったケンゴとカナ、少し早めのお目覚めです♪
漏らしそうになっているケンゴと、早速朝食を食べているカナ。
実はカナももう少しで漏らしそうになりながらトイレに行ったことは内緒ですw
そして今日もカナは甘えたいお年頃全開です。
「どうしたの? 最近とっても甘えんぼさんね?」
「え~、だって……」
「そうねぇ、じゃあ、お医者さんごっこでもしてみたらどうかしら」
ミサキ院長に勧められて、はじめはカナが、その後ケンゴがお医者さんごっこをしていました。
二人が登校していった後、またココナから連絡です。
ココナのことがうらやましくないわけじゃないけど、今はこうしてマナ院長の後をついていることが楽しいから、大丈夫。
余裕の笑み?を浮かべるミサキ院長。
多分改修が楽しいんだと思うんですが、本当のところはどうなのでしょう。
今日は珍しくキヨミも訪ねてこず、思ったより改修がはかどったので満足していたのですが、そこにまたファンファーレ。
今日はケンゴがB評価の小学生になりました。
おめでとう、ケンゴ!!!
ほめられてうれしかったのか、すっかり元気になってしまい、フィットネスが大好きになったみたいです。
帰ってきてごはんを食べる二人を見守っていると、ミサキ院長のスマホが鳴りました。
「小学生以下の受け入れ希望があります」
「わかりました」
ミサキ院長はすぐにサイコロを振りました。
1,2:カナ、3,4:ケンゴ、です。
3なのでケンゴの養子縁組が成立しました。
「ケンゴ、新しいお家が決まったの、だから支度をしてくれる?」
「うん、わかった……大丈夫、かな?」
「そうね、大丈夫よ、そう信じよう、ね?」
不安げな表情だったケンゴも、ミサキ院長と別れのハグをする頃には笑顔になっていました。
ケンゴはカリエンテ家に引き取られていきました。
ケンゴがいなくなったので、カナ一人になってしまいました。
でもカナはまんざらでもない様子で、思う存分マナ院長に甘えているのでした。
カナを寝かしつけた後、かつてカツキが使っていた部屋にミサキ院長の姿がありました。
次の受け入れのために、ベッドを改修していたようです。
次から次へと入れ替わっていく孤児たちのためにできることをやるだけ。
ミサキ院長のその顔は少し誇らしげにも見えたのでした。
チャレンジ達成まで13/40
では今回はこのあたりにいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ次回もお立ち寄りください。
~次回に続く~
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